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調査
赤嶺淳
海外調査
〇ノルウェー(Tromsø、Bergen)、アイスランド(Reykjavík、Húsavík)、6月。ベルゲン大学(University of Bergen)では大豆のグローバルヒストリーを研究するInes Prodöhlさんの知己を得るとともに、同大学で日本研究を講じるNathan Edwin Hopsonさんを知ることになった。今後、イネスとは油脂研究、ネイサンとは三陸地方における沿岸捕鯨の発達史についての共同研究をおこなう計画である。ノルウェー経済大学(NHH: Norwegian School of Economics)で捕鯨業の経済史的位置づけを研究するBjørn Lorens Basbergさんを訪ね、かねがね抱いてきた質問について指導いただいた。また、Basbergさんの紹介で、Tønnessen & Johnsen [1982](The History of Modern Whaling)のノルウェー語版全4巻を入手することができた(本代と郵送代がほぼ同額という事実に不思議な気持ちになった)。英抄訳版で省かれている注やレファレンスを活用していきたい。はじめて訪れたアイスランドでは、アイスランド大学(Universitas Islandiae)のKristín Ingvarsdóttirさん(アイスランド—日本関係史研究)の案内でレイキャヴィーク周辺の捕鯨関連施設を訪問するとともに、フーサヴィーク鯨類博物館(Húsavík Whale Museum)で開催された第8回鯨類学会において、“Resumption of Japanese commercial whaling and recent trends in whale meat foodways in Japan”と題した発表をおこなった。
〇 カナダ(Vancouver, BC)、U.S.A(Eugene, OR)、10月。旧知のMichael Hathaway(Simon Fraser University)さんとRyan Jones(Oregon University)さんを訪ね、北西海岸における鯨類をふくむ海獣利用史についての資料収集をおこなうとともに、将来的な共同研究の構想を語りあった。オレゴン州立大学(Oregon State University)のHatfield Marine Science Centerにおいて、分子生態学(molecular ecology)研究と保全遺伝学(conservation genetics)研究の世界的権威で捕鯨に批判的なScott Bakerさんの司会のもと“Five years past since the resumption of commercial whaling in Japan: Report of an expedition by Nisshinmaru”と題した講演をおこなった。当然ながら、聴衆も米国的な海洋生物学者ということで緊張したが、「他流試合」の必要性を実感する機会となった。
国内調査
〇 下関。新造船観鯨丸の進水式(8月29日)、日新丸の帰港・引退セレモニー(11月4日)、観鯨丸の竣工式(入魂式、3月29日)に参列した。
〇 長崎。おくんち(長崎くんち祭り)において10年ぶりの奉納となった「脊美鯨の汐吹」を見学することができた。古式捕鯨の文化遺産を継承するとともに白手物を中心とする鯨食文化の旺盛な様子の意味を考えさせられる機会となった(10月)。
松浦海翔
◯ 秋田県北秋田市(4月3日〜7月3日、10月18日〜11月17日):参与観察、インタビュー調査などを実施。クマ猟や山菜採取、有害駆除、クマの解体作業、集落行事などに参加。
◯ 山形県西置賜郡小国町(5月4日):小国マタギの方々が主催する、「第41回 熊まつり」への参加。
◯ 福島県只見町(6月24・25日):「第34回 ブナ林と狩人の会 マタギサミット in ただみ」への参加。
◯ 新潟県村上市大毎(11月7日):村上市で狩猟をおこなう方への聞き取り調査の実施と、山熊田への訪問。